中国生態環境部(MEE)は、新たな生態環境法典の施行に伴い、「新規化学物質環境管理登録弁法(MEE Order 12)」における管理手続きの大きな改訂を発表しました。
2026年8月15日をもって従来の「備案(Filing / 届出)」モジュールが正式に廃止され、すべて「登録(Registration)」手続きへと統合されました。これにより、年間1トン未満の化学物質やポリマーの中国市場への導入プロセスが抜本的に見直されます。
制度変更に伴う「4つの重要な変更点」
・「備案」の廃止と「簡易登録」への統合
これまで簡易な書類提出で完了していた年間1トン未満の物質や特定のポリマー等(旧 備案対象)は、今後すべて「簡易登録」等の申請手続きが必要となります。
・中国国外申請者(海外メーカー直接申請)の排除
2026年8月15日以降、中国国外の企業が直接申請者となる枠組みが撤廃されました。今後は中国国内の現地輸入業者(または中国現地法人)のみが申請者として登録手続きを行う必要があります。
・要求データ・用途情報の厳格化
単なる自己宣言手続きではなくなるため、物質の用途情報の詳細な提示や、データ保護を求める場合の「必要性説明書」の提出など、要求書類が厳格化されます。
・既存「備案」取得済み物質の移行期限(2026年12月31日)
すでに旧制度下で「備案」を取得して取引を行っている物質についても、2026年12月31日までに新しい登録証への手続切り替え(再申請)を行わなければ、中国国内での流通が停止するリスクがあります。
企業に求められる実務上の対応
中国へ化学品や電子材料、原材料を輸出している日本企業は、ただちに以下の点検を進める必要があります。
・既存「備案」の洗い出しと手続移行: 現在中国向けに輸出している物質の中で「備案」で運用している製品を特定し、2026年末までに現地輸入業者を通じて簡易登録を取得する準備を開始する。
・サプライチェーン体制の見直し: 海外メーカーから直接申請ができなくなるため、中国現地パートナーや輸入業者との責任分担、および機密データ(CBI)の保護方針を再構築する。
・分析データ・物理化学試験の再点検: 簡易登録への移行に伴い、信頼できる試験データ(物理化学的性質、環境毒性等)の準備・追加分析を行う。
まとめ
今回の中国 REACHにおける「備案」制度の廃止と「登録」への一本化は、低ト量化学物質やポリマーを中国市場へ出荷している企業にとって、過去最大級の制度改訂となります。
特に「2026年12月31日」という極めて短い移行期限内に既存の備案を「登録」へと手続変更しなければならず、試験データの補完や物質同定のための化学分析・スクリーニングが急務となります。中国向け輸出を行っている事業者は、現地輸入業者と密に連携し、早期の手続対応を進めることが推奨されます。