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【ニュース】米国:EPAがTSCAに基づき27の化学物質に新規使用ルール(SNUR)を提案

米国環境保護庁(EPA)は、有害物質規制法(TSCA)第5条に基づき、過去に事前製造届出(PMN)の対象となり個別命令(Section 5(e) Order)を受けていた27の化学物質について、新規使用ルール(SNUR:Significant New Use Rules)の制定提案を連邦官報(Federal Register)にて公表しました。

米国環境保護庁(EPA)は、有害物質規制法(TSCA)第5条に基づき、過去に事前製造届出(PMN)の対象となり個別命令(Section 5(e) Order)を受けていた27の化学物質について、新規使用ルール(SNUR:Significant New Use Rules)の制定提案を連邦官報(Federal Register)にて公表しました。
本提案が最終確定された場合、指定された「新規使用」に該当する用途・条件下で対象物質の製造(輸入を含む)および加工を行う事業者は、事業開始の90日前までにEPAへ「新規使用届出(SNUN)」を提出することが義務付けられます。

1.提案の背景と規制メカニズム(SNURとは)

・TSCA Section 5(e)命令の水平展開: 本来、TSCAに基づく個別命令(5(e) Order)は届出を提出した特定企業のみに法的効力が及びます。EPAはSNURを制定することで、市場に参加するすべての製造業者、輸入業者、加工業者に対して同様の制限・届出義務を一律に適用します。
・事前届出の義務(SNUN): 指定された「新規使用(制限条件から外れる用途や使用方法)」を行う場合、事業を開始する90日前にSNUNを提出しなければならず、EPAによるリスク評価および判断が完了するまでは該当活動を開始できません。

2. 対象となる27物質と指定された「新規使用」の例

今回SNURが提案された27物質は、半導体・フォトリソグラフィ材料、エレクトロニクス、塗料・コーティング、洗剤、プラスチック添加剤など多岐にわたります。

物質名・グループ主な用途指定された「新規使用」(制限・条件の例)芳香族スルホニウム塩/イオドニウム塩(5物質)

(PBT懸念物質)
フォトリソグラフィ/電子材料• 米国内での直接製造(輸入のみに制限)

• 5kg以下の密閉容器以外での非溶液形態(粉末等)での輸入

• 年間輸入上限量を超える輸入
ポリフルオロアルキル スルホニウム塩

(PBT懸念物質)
フォトリソグラフィ• 指定期限内に必要な試験データ(Tier I/II)を提出せずに製造を行うこと

• 経皮ばく露可能性のある場面での個人用保護具(PPE)不使用
ビスフェノール・エピクロロヒドリン型ポリマー(12物質)金属部品用コーティング• 吸入ばく露が生じる方法での使用

• 破壊効率98%未満の工学的対策の不備

• 消費者向け製品(Consumer Products)への使用
ヘテロ原子置換ジハロエステル電解液添加剤• 密閉プロセス(Closed Process)以外での製造・加工・使用

• 焼却以外の方法による廃水・廃棄物処理

• 消費者向け製品への使用
ラムノリピッド(各種塩類)洗剤、洗浄剤• 最終処方中の含有濃度が重量比 3% を超える製品(消費者製品含む)

• 吸入ばく露が生じる製造・加工
ポリオキシエチレンアクリレート塗料、インク• 水系環境(水体)への排出

• 手動スプレー作業/消費者向け製品への使用

3. 米国輸出・供給企業に求められる具体的な対応策

本規則は現時点では「提案段階(Proposed Rule)」ですが、最終確定を見据えて以下のステップで点検と準備を進めることが強く推奨されます。

1.自社製品・原材料のスクリーニング(在庫・処方点検):

米国向けに輸出している化学品、各種部材、コーティング剤、電子材料等の中に、該当物質が含まれていないかサプライチェーンを遡って点検する。

2.使用条件および労働衛生管理の照合:

現地での使用方法が提案されている制限(PPEの着用、密閉系作業、含有濃度上限など)に合致しているか確認する。

3.TSCA輸出入遵守(証明・通知手続き):

 ・輸入証明(Import Certification): 米国輸入業者によるTSCA適合証明の準備。
 ・輸出通知(TSCA Section 12(b)): 米国からの再輸出や日本からの輸出の際、TSCA 12(b)輸出通知義務が適用されるため実務の変更を確認する。

3.まとめ

今回のEPAによる27物質のSNUR提案は、特に半導体・電子材料、塗料・コーティング、化学品添加剤を取り扱う日本企業にとって影響の大きい動向です。
「消費者製品への使用禁止」や「含有濃度上限(例:3%超)」といった条件が設けられているため、対象物質の不意の混入や濃度の適合性を客観的に証明するための正確な化学分析・定量データが今まで以上に不可欠となります。米国へ製品・材料を供給している事業者は、自社製品の精密なスクリーニングを早急に進めることが推奨されます。

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