EU(欧州連合)全体での包括的なPFAS制限規則の審議が進む中、スウェーデン政府はEUの決定を待たず独自に先行する形で、2028年1月1日より段階的に国内販売を規制する方針を固めました。
規制対象となる製品カテゴリーと制限値
スウェーデン国内で消費者に提供される以下の主要5分野の製品が禁止対象となります。
対象製品群:
- 衣料品および靴(フットウェア)
- 衣料・靴用の防水・撥水スプレー(再浸透剤)
- 化粧品全般
- 調理器具・キッチン用品(フライパン等のフッ素加工接触部)
- スキー用ワックス
含有濃度の制限値(均質材料あたり):
- 単一の非ポリマーPFAS:25 μg/kg(25 ppb)以下
- 非ポリマーPFASの合計:250 μg/kg(250 ppb)以下
- 全PFASの合計:50 mg/kg(50 ppm)以下
一部製品に対する適用除外(例外規定)
サーキュラーエコノミーの維持および安全上の理由から、以下は本規制の対象外とされます。
- 中古品(セカンドハンド製品)
- 消費者使用後のリサイクル素材(Post-Consumer Recycled)を20%以上含む衣料品
- 個人用保護具(PPE)およびそのメンテナンス用撥水剤
欧州・スウェーデン向け輸出企業に求められる対応
EU全体のPFAS制限に先駆けてスウェーデン市場で規制が適用されるため、欧州向けに衣料、化粧品、日用品、キッチン用品等を輸出している事業者は、スケジュールを前倒ししてコンプライアンス点検を進める必要があります。
- 全フッ素(TF)および個別PFASの精密分析: 自社製品の撥水コーティングや添加剤にPFASが意図的・非意図的に含まれていないか、閾値(25 ppb / 50 ppm)に照らした高感度機器分析を行う。
- サプライチェーンのトレーサビリティ確認: 特にリサイクル素材を使用する場合は、使用後廃棄物由来のリサイクル材(Post-Consumer)であることの立証データやサプライヤー保証書を整備する。
まとめ
デンマークやフランスに続き、スウェーデンが独自に2028年からのPFAS禁止案を提示したことは、欧州における「脱PFAS」の流れが急加速していることを示しています。
特に今回導入される「全PFAS合計 50 ppm」などの制限値をクリアするためには、意図的な配合の有無だけでなく、製造ラインや原材料由来の意図しない混入を防ぐ客観的な化学分析・スクリーニングデータによる証明が必須となります。スウェーデンを含む欧州市場へ製品・部材を出荷しているメーカーは、早期の精密分析と代替材料評価を進めることが強く推奨されます。
