GHS分類ピクトグラムやSDS(安全データシート)記載フォーマットの刷新については2029年1月1日からの適用となりますが、成分開示の閾値引き下げや不備のあるSDSへのペナルティ規定などは公布日(2026年8月26日)より即時施行されています。
GHS分類およびSDS記載項目の主な改訂点(2029年1月1日施行)
- 危険有害性分類の更新(第5条附表1):
「鈍感化爆発物」の分類新設
「可燃性ガス」を区分1Aおよび1Bに細分化
エアゾール分類を「エアゾールおよび加圧化学品」に再編
日本や欧米の運用に合わせ、「急性毒性 区分5」「皮膚腐食・刺激性 区分3」「誤吸有害性 区分2」を削除
- SDSフォーマットの変更(第12条附表4):
第9項(物理的及び化学的性質)に「動粘度」や「粒子特性」の記載項目を追加
「臭気閾値」や「蒸発速度」などの項目を削除
即時適用されている重要な遵守義務(2026年8月26日〜)
感作性物質の開示閾値を0.1%へ引き下げ(第12条附表3): 混合物中に含まれる呼吸器感作性物質または皮膚感作性物質のSDS開示基準が、従来の1.0%から 0.1%以上 へと大幅に厳格化されました。
SDS誤記・不備への是正命令と罰則導入(第15条の1): メーカー、輸入者、供給者が提供するSDSに記載漏れや明らかな誤りがある場合、当局による是正命令が出されます。期限内に修正を行わない場合は罰則(過料)が科され、事業者名が公表されます。
CBI(営業秘密)保護申請の制限拡大: 「誤吸有害性 区分1」に該当する成分については、SDSにおけるCBI(非開示)申請が認められなくなりました。
まとめ
今回の台湾GHS規則改正は、2029年の新ラベル・SDS移行に向けた十分な準備期間が設定された一方で、感作性物質の0.1%閾値適用やSDSの正確性に関する行政指導・罰則の強化など、今すぐ対応が必要な項目が盛り込まれています。
台湾へ製品や化学原材料を供給している事業者は、自社SDSの緊急点検を行うとともに、2029年全面適用に向けて追加必要項目(動粘度、粒子特性など)の物理化学試験や精密機器分析データの整理を計画的に進めることが強く推奨されます。