NEWS

【ニュース】台湾:環境部が「懸念化学物質」にビスフェノールB/F、GBLなど6物質を追加へ(改正草案)

台湾環境部(MOENV)化学物質管理署は、「毒性及び懸念化学物質管理法(TCSMCA)」に基づき規制される「指定管理懸念化学物質およびその運作管理事項」の改正草案に関する公聴会を開催し、新たに6つの化学物質を懸念化学物質に追加指定する方針を示しました。

本改正は、食品安全リスクの排除、内分泌かく乱作用(環境ホルモン)の抑制、ならびに不適切使用・転用防止を目的としており、エポキシ樹脂、塗料、接着剤、UV硬化材料、電子工業用溶剤などを台湾市場へ供給する企業に直接的な影響を及ぼします。

新たに対象となる6物質と管理基準

草案で指定された6物質および提案されている規制濃度基準は以下の通りです。

  • 食品安全リスク防止(不正混入防止):

    • トルイジンレッド(Toluidine Red / CAS: 2425-85-6): 管理濃度 1%以上

    • パラレッド(Para Red / CAS: 6410-10-2): 管理濃度 1%以上

    • 追加表示義務: 容器・包装に「食品及び飼料への使用禁止」の警告表示を義務化。

  • 内分泌かく乱作用への懸念(民生・消費者リスク):

    • ビスフェノールB(BPB / CAS: 77-40-7): 管理濃度 1%以上(樹脂・プラスチック原料等)

    • ビスフェノールF(BPF / CAS: 620-92-8): 管理濃度 1%以上(エポキシ樹脂、塗料、接着剤等)

  • 不適切使用・転用リスクの管理強化:

    • MMMP(CAS: 71868-10-5): 管理濃度 1%以上(UVインク・コーティング等の光開始剤)

    • ガンマ-ブチロラクトン(GBL / CAS: 96-48-0): 工業用溶剤、電子化学品、精密洗浄剤。

      • 20%以上90%未満: 容器・包装のGHS表示およびSDSの整備が主。

      • 90%以上: 運作記録の作成、定期申報、運作許可等の全面的な管理を適用。

    • 追加表示義務: MMMPおよびGBLには「工業用途限定」の表示が義務化。

事業者に課される管理義務と段階的移行スケジュール

草案に基づき、既存の取扱事業者には以下の段階的スケジュールで対応が求められます。

  • 2027年1月1日から: 運作記録の作成・定期申報の開始、運作許可証等の申請開始。

  • 2028年7月1日まで: 容器・包装・保管場所の標示(ラベル)の貼付完了、台湾基準SDSの常備、運作許可証等の取得完了。

企業に求められる具体的対応

台湾向けに塗料、インク、接着剤、電子材料、溶剤等を輸出している日本企業は、以下の準備を迅速に進める必要があります。

  • 製品中の含有濃度スクリーニング: 自社製品中にBPB、BPF、MMMP、GBLなどが意図的添加または不純物として管理濃度(1%や20%)を超えて含まれていないか、LC-MS/MSやGC-MS等による精密定量分析を行う。

  • 台湾GHSラベルおよびSDSの改訂: 対象物質を含む場合、台湾TCSMCAの最新要求に沿った中国語(繁体字)ラベルを作成し、「食品・飼料使用禁止」「工業用途限定」などの特殊警告表示を組み込む。

  • 現地輸入業者(インポーター)との連携: 2027年以降の運作申報や許可証取得が円滑に行えるよう、成分組成や客観的な分析証明データを現地パートナーへ共有する。

まとめ

台湾における化学物質管理は、従来の特定毒物だけでなく、ビスフェノール類やGBLのように産業界で汎用される物質に対しても「懸念化学物質」として管理の網を急速に広げています。

特にBPF/BPBの1%基準やGBLの20%/90%といった段階的規制への適合には、客観的な精密化学分析による成分定量データの裏付けが不可欠です。台湾市場へ化学品、塗料、樹脂、電子材料を出荷しているメーカーや商社は、正式公布に先立ち、早期に製品スクリーニングと法規制適合点検を進めることが強く推奨されます。

← ニュース一覧に戻る

CONTACT & ESTIMATE

分析に関するご相談・お見積りは、
お気軽にお問い合わせください。